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中国専利法実施細則と審査基準改正のポイントの紹介

1.優先権の恢復

特許及び実用新案に対し、優先権期限満了日から2ヶ月以内に優先権恢復を主張することができる。 (費用発生)

PCT出願に対し、国際段階で既に優先権恢復を請求した場合、国内段階で優先権恢復を請求しなくてもよい。但し、国際段階で優先権恢復を請求しなかったり、請求が却下された場合、国内段階への移行日から2ヶ月以内に優先権恢復を請求することができる。

なお、優先権恢復の期限満了日が2024年1月20日以降の案件に対し、2024年1月20日から優先権恢復を請求することができる。

2.優先権の増加と修正

特許又は実用新案の出願人が優先権を主張した案件に対し、出願日から4ヶ月或いは優先権日から16ヶ月以内に優先権を増加又は修正することができる。

なお、優先権増加、修正の期限満了日が2024年1月20日以降の案件に対し、2024年1月20日から優先権増加、修正を請求することができる。

優先権恢復制度と優先権増加、修正制度は重なって利用することができない。

3.引用による補充制度

特許又は実用新案出願において、請求の範囲、明細書の全体または一部が欠落し或いは誤って提出された場合、出願日から2か月以内或いは指定期間内に引用による補充を行うことにより、最初の出願日を保留することができる。

なお、最初の提出日が2024年1月20日以降の案件に対し、出願人は引用による補充を行うことができる。

優先権恢復制度、優先権増加、又は修正制度を請求した案は、重なって引用による補充制度を利用することができない。

4.期限の計算方式が変更

電子データで送付した各種文献に対し、15日の猶予期間を取り消した。

専利法及び実施細則で規定した各種期限の開始日は、アクションの翌日から計算する。

5.秘密保持審査

出願人が秘密保持審査を提出した場合、専利局は2ヶ月以内に秘密審査通知書を発送しなければならず、状況が複雑な場合は2ヶ月延

長することができる。秘密保持審査を行う場合、請求日から4ヶ月以内に秘密審査決定を下ろさなければならず、状況が複雑な場合は

2ヶ月延長することができる。

今回の改正で、秘密保持審査の要否について必ず通知書を発送するため、外国への出願は通知書を受けてから出願する必要がある。

6.遅延審査請求

特許は実体審査請求と同時に1年/2年/3年の遅延請求を提出することができ、実用新案は出願と同時に1年遅延請求することができ、意匠出願は出願と同時に1ヶ月を単位で36ヶ月まで遅延することができる。

なお、遅延審査請求を提出してから取り消すこともできる

7.専利権期限補償制度(PTA)

特許出願日から満四年、かつ実体審査請求日から満三年後に特許権が授与された案件の審査における不合理的な遅延は、出願の登録公告日から3ヶ月以内に期限補償を請求することができる。

期限補償の日数は、特許出願日から満四年、或いは実体審査請求日から満三年の中で遅い日を基準として計算する。

なお、特許と実用新案の同日出願に対しては、期限補償制度は適用できない。

期限補償制度は2021年6月1日から登録された案件に対して適用される。なお、期限補償の費用は未だ発表されていない。

8.信義則違反について

信義則違反は、方式審査段階と実体審査段階で審査するだけでなく、拒絶査定と無効審判の理由にもなった。

ここで、信義則とは、出願は真正な創作活動に基づくべきであり、虚偽を弄してはならないことである。

9.実用新案出願と意匠出願に対する審査

実用新案出願に対する初歩審査範囲は、明らかな新規性、進歩性(増加)及び実用性に規定されて、審査がより厳しくなった。

意匠出願に対する初歩審査範囲は、従来設計と同一或いは実質的に同一に対する審査と、従来設計と明らかな区別があるか(増加)に対する審査を含むようになって、審査がより厳しくなった。

10.復審の審査範囲

復審の審査範囲が、拒絶査定に提示された問題を審査するほか、元の拒絶査定に指定されていない明らかに専利法と実施細則の規定に違反する問題も審査可能になった。

11.開放許諾

特許、実用新案、意匠の権利者が専利局に開放許諾の声明を提出し、専利情報と、許諾費用基準と、納付基準、許諾期限などを明らかに記載した場合、いずれの個人、組織に対して開放許諾を行うことができる。

なお、開放許諾は通常の実施許諾に限られている。

12.新規性喪失の例外

新規性喪失の例外状況に、「国務院関連主管部門が認可する国際組織が開催する学術会議、技術会議」を追加し、その例外状況がより多くなった。

13.職務発明の奨励

職務発明の奨励金につき、発明者、設計者との約定がなく、且つ職務発明規程にも規定がない場合、特許権に関する奨励金を3000元から4000元に引き上げ、実用新案権又は意匠権に関する奨励金を1000元から1500元に引き上げた。

職務発明の報酬につき、発明者、設計者との約定がなく、且つ職務発明規程にも規定がない場合は、報酬の支払い方法及び金額は「中華人民共和国科学技術成果促進転化法」に基づくこととした。

14.医薬専利の期限補償制度(PTE)

新薬に関する特許は、市販承認を受けた日から3ヶ月以内に市販承認審査による延長期限の補償を請求することができる。その期限補償を5年を上限とし、合計存続期限は14年を越えてはならない。

PTAとPTEの両方とも補償する場合、先にPTAを補償してからPTEを補償する。

PTE期限補償の間、保護できる権利は市販承認を受けた技術案に限られている。


北京銘碩特許法律事務所