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商標法改正草案のパブコメ募集について

新華社12月22日の報道によると、商標法改正草案が同日、全国人民代表大会常務委員会会議に初めて上程された。改正案は全9章84条になり、商標の登録・管理および保護制度の完備、商標権侵害行為の取締り強化などを主な内容としている。全国人大常務委員会第十九回会議の審議により、全国人大網が2025年12月27日に「商標法(改正草案)」を公表し、パブコメを募集している。パブコメの募集期限が45日であり、2026年2月10日までである。


早くも2023年1月に、国家知識産権局は商標法改正草案の意見募集稿を公表し、今回の審議に至るまで、意見募集稿に対する審査が約3年にわたってきた。現行商標法は1983年に施行され、その後4回の小規模な修正を経て、今回の修正が2019年以降5年ぶりの改正であり、その修正規模も前のより大きいようである。2024年末までに、中国における累計商標登録出願件数は8352万3000件、有効登録商標数は4977万7000件に達し、いずれも世界第1位である。但し、その一方で、新たな問題が生じている:悪意のある商標登録行為が後絶たなく、商標の「登録を重視し・使用を軽視する」という現象が広く見られ、商標の不適切な使用が次々と発生し、商標権侵害の件数も高止まり、商標権者による過剰な権利行使や悪意のある訴訟も見受けられる。

今回審議に提出された商標法改正草案は、2023年1月に公布された商標法改正草案(意見募集稿)と比較して、章数は一致しているが、条文数は101条から84条に削減された。今回審議にかけられる改正草案は主に、商標登録の規制、商標管理の強化、商標専用権保護の強化など3つの面に関わるものとみられる。

商標登録の規制について、改正草案はこれまで各章に分散していた商標登録の要件を集約し、「動き商標」を商標構成の要素として明確に記入し、使用目的がなく、通常の生産経営需要を明らかに超える商標登録出願を拒絶する旨を明確に規定した。さらに、著名商標の保護を強化し、他人の登録済み著名商標を非類似商品・役務に先取り登録することを禁止する規定を拡張し、登録の有無を問わず全ての著名商標に対する先取り登録を禁止することとした。

商標管理の強化について、改正草案には、公衆を誤認させる方法で登録商標を使用した場合、商標執法担当部門が期限を定めて是正を命じ、期限までに是正しない場合は5万元以下の罰金に処するほか、情状が重い場合には、国務院商標管理部門がその登録商標を取り消すことができることを明確する規定が新たに追加された。「公衆を誤認させる方法で登録商標を使用する」事例としては、「千禾0」(意味:千禾ゼロ)、「多半桶」(意味:過半)などの事例から明らかになった商標の乱用が想定され、これらを公衆に誤認させる方法で使用する場合、5万元以下の罰金が科され、情状が重い場合は商標が取消される。さらに、改正草案では団体商標・証明商標の登録人の不正行為に対し処罰条項を増加し、商標代理機関および商標代理の従業員に対する規制を強化した。

商標専用権保護の強化について、改正草案で、商標権侵害行為の取締りを強化し、商標権侵害が犯罪につながる疑いがある事件の移送および協同処理に関する規定を追加した。また、悪意をもって商標訴訟を提起した者に対し、法律に基づいて処罰し、損害を与えた場合は法律に基づき民事責任を負わせることを明確にした。

2023年の改正草案と比べ、今回公表した改正草案は現行商標法と比べ改正した範囲がそんなに大きくない。「中華人民共和国立法法」の手続きによれば、改正草案が常務委員会に上程された後、一般的には3回の常務委員会会議審議を経て表決に付される。一部改正の法律案で各方面の意見が比較的一致している場合は、1回の会議審議の後、表決に付すこともできる。3回の常務委員会会議審議を経ても、なお重大な問題があり更に研究を要する場合は、表決を一時見送り、憲法・法律委員会および関係専門委員会に付託して更に審議することができる。

商標法改正草案は全84条であり、手続きと実体内容の重大な調整を含むため、2回の審議で可決される確率は高くないと想定される(不正競争法を参照すれば、全41条の草案が二回に審議された)。また、2回目の審議と3回目の審議の間隔時間を考慮し、商標法が2026年10月~12月頃審議を通過する可能性があると想定される。