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特許の審査に時間がかかりすぎることで特許権の保護期間が短くなってしまうという問題を解決するため、2021年6月1日に既に施行されていた新しい中国特許法に特許権期限補償制度が導入された。2023年12月21日に公布された専利審査指南(2024年1月20日から施行)では、特許権期限補償制度について詳細に説明した。特許権期限補償制度は出願人にとって非常に有意義で重要な制度であるため、この制度に対して詳細に説明する。
第一部分:特許権期限補償の2つの状況
特許権期限の補償には以下の2つの状況がある。
A、専利法第42条第2項の特許権期限補償に基づき、特許の権利化段階での不合理な遅延による特許存続期間を補償する。
B、専利法第42条第3項の特許権期限補償に基づき、新薬の上場審査・認可に要する期間を補償する。
本文は、上述の状況Aについて、すなわち、特許の権利化段階での不合理な遅延による特許存続期間を補償する状況について詳細に説明する。
(一)請求のタイミング
特許権者は、特許権公告日より3ヵ月以内に特許局に請求を提出し、それに対応する費用を納付しなければならない。特許権期限の補償は、特許権者からの自発的な請求を前提とするものであり、特許権者からの請求がない場合は補償もない。
(二)補償期限の確定
補償期限は、特許の権利化段階で不合理に遅延された実際の日数に基づいて算出されるものである。補償期間の計算式は次の通りである。
即ち、特許権補償期限=(D権利付与日-D満4満3の日)-T合理-T不合理(出願人)
ただし、[D権利付与日]とは、特許権付与を公告した日を指す。
[D満4満3の日]とは、特許の出願日から起算して満4年、かつ実体審査請求の日から起算して満3年の日を指し、遅い方の日を採用する。
[T合理]とは、合理に遅延された日数を指し、例えば、権利帰属をめぐる紛争または財産保全の中止審査手続による遅延期間である。
[T不合理(出願人)]とは、出願人が指定期限の延長を請求すること、又は審査の遅延を請求することなど、出願人による不合理に遅延された日数を指す。
ただし、「実体審査請求の日」とは、出願人が実体審査請求を行い、特許出願の実体審査費を満額納付した日を指す。実体審査請求の日が公布日より早い場合については、「実体審査請求の日から満3年」、すなわち、公式の「満3」は、当該出願の公布日から起算されるものである。
PCT出願について、PCT出願の中国国内移行の日付を出願日と見なし、分割出願について、分割出願の提出日を出願日と見なすことで、発明特許権補償期限を計算する。
1、権利化段階での合理的な遅延について
権利化段階での合理的な遅延には、特許出願書類を修正した上で特許権が授与される復審手続、権利帰属をめぐる紛争または人民法院の保全裁定の執行に協力するために関連手続を中止する場合、行政訴訟手続に関連する場合などが含まれている。
2、出願人による不合理な遅延期間について
出願人による不合理な遅延には以下のようなものが含まれている。
(1)指定期限の延長を請求し、指定期限内に特許局からの通知に回答しなかった場合、遅延期間は、期限の満了日から実際に応答を提出した日までの期間とする。
(2)審査の遅延が申請された場合、遅延期間は、審査が実際に遅延された期間となる。
(3)「引用による補充」による遅延について、遅延期間は、出願書類を補充提出した期間となる。
(4)権利回復の請求による遅延について、遅延期間は、本来の期限の満了日から権利の回復が許可された権利回復請求審査許可通知書の発行日までの期間となる。遅延が特許局によるものであることが証明できる場合を除く。
(5)優先権日から30ヶ月以内に中国国内移行手続きを行う国際出願において出願人が早期処理を請求しないことによる遅延について、遅延期間は、中国国内移行の日から、優先権日より30ヶ月までの期間となる。
3、同日出願された特許及び実用新案について、特許権に対して期限補償を与えない。
同じ出願人が同日に同一の発明創造について、実用新案と特許の両方を出願しており、特許権を取得した場合は、当該特許に対して特許権付与の期限を補償しない。これは、特許権者が相対的により早い実用新案公告授権日から権利を主張できることを考慮したものである。
第二部分:補償期限の決定及び救済
特許権期限補償請求(特許権期限補償請求又は薬品特許権期限補償請求)が関連要求に該当する場合、特許局は、特許権期限補償の実行を決定し、関連事項を特許登録謄本に登録して特許公報に公告しなければならない。関連要求を満たしていない場合、特許局は、意見陳述又は補正のチャンスを出願人に与える。
なお、2024年1月20日以降、特許権者、関連特許によって侵害紛争がある利害関係者が、国家知識産権局からの特許権期限補償の実行可否に関する決定に対して不服がある場合、国家知識産権局に行政復審を請求することができる。
特許法第42条第二項、第三項に導入された発明特許権期限補償及び薬品特許権期限補償は、第四回特許法修正で導入された新しい制度であり、最も重要な修正内容の一つである。
この部分の修正についてご疑問とかある場合、いつでもご連絡ください。