2021年5月国家工業情報化部は、中央インターネットセキュリティ委員会とデジタル化委員会より共同で「ブロックチェーン 技術の応用と産業発展を迅速に推進する指導意見」を発表しました。指導意見では、2025年まで、中国のブロックチェーン産業総合実力を世界先進レベルに引き上げること、産業においても初歩的な規模に達する目標を明確にしました。また、2030年まで、ブロックチェーンの総合実力が持続的に上昇し、産業規模も更に発展する将来展望を発表しました。ブロックチェーンはインターネット、ビックデータ、人工知能等の新世代の情報技術と深く融合して、各分野で普及されています。

IPR DailyはIncopatと共同で、ブロックチェーン特許の公開数ランキング及び授権数ランキングを何度も発布したことがあります。全体的な傾向からみますと、当面中国のブロックチェーン特許は他の国より遥かに多いことがデータから明らかになりました。ここで、中国のブロックチェーンと高関連性有効特許権に対して統計分析しました。キーワードで請求の範囲と明細書の技術分野及び背景技術を限定し、ブロックチェーン及びその応用と直接関連する有効特許権に対して再度抽出し、実際にブロックチェーンと関連性が高くない特許は排除し、なるべく関連性の高い中国ブロックチェーン有効発明特許権でランキングをまとめました。

中国において、ブロックチェーン特許は基本的に2016年から登録されています。2016年から現在まで、有効状態にある中国ブロックチェーン技術の発明登録傾向は以下のとおりです。

2021年8月31日まで、中国のブロックチェーン有効発明特許の授権量は4068件であり、授権傾向から見ますと、この技術の年間特許授権量は2017年から始め、2019年から継続、且つ顕著に増加しました。

特許所有者を基準に、2021年8月31日までの中国ブロックチェーン特許権企業の分布状況を分析して、ブロックチェーン企業の特許実力を見てみたいと思います。TOP10の企業とブロックチェーンの高関連性の特許権の数量は以下のとおりです。

ランキング1の アリババグループ（蚂蚁集团）のブロックチェーン特許は、主に2020年と2021年に集中して登録され、特許権の総量は他の企業より遥かに多いです。情報によりますと、アリババグループは既にブロックチェーンのオープンプラットホームBaaSと、売掛金回転及び資産管理のプラットフォーム「DOUBLE LINK  」と、通用知能契約プラットフォームなどの多くのプラットフォームを構築し、大規模の合意アルゴリズム、知能契約技術、ソフトアンドハードプライバシー保護、 クロスチェーン通信プロトコルなどの面で独特の技術力を形成しました。特許はデータ照会とデータ保存、プライバシー保護、セキュリティ機構、身分検証とサイン検証、知能契約、取引の処理などの技術分野を巡って配置されています。

ランキング2のTencentのブロックチェーン特許権はアリババグループのほぼ半分程度であります。Tencentも多い分野でブロックチェーンの応用をチャレンジしています。例えば、ブロックチェーン電子領収書、サプライチェーン金融、デジタルコンテンツ保護、製品偽造防止、医療処方管理、司法証拠の保存、公益的な人探し、レッドパッケージ、証拠保存、ゲームなどがあります。特許は、コンピューター記憶媒体、身分検証、データ処理とデータ保存、知能契約などの技術分野を巡って配置されています。

ランキング3のFUZAMEIもブロックチェーンの業界で数年発展を求めてきました。情報によりますと、FUZAMEIは既に安定で効率の高いブロックチェーンシステムを構築し、自発開発したchain33ブロックチェーンプラットフォームを設立し、PBFT合意 メカニズムとメインチェーン平行チェーン仕組みを採用して、低遅延で高効率の核心技術を把握し、モジュール化開発を実現し、プラグ着脱可能で、高性能で、拡張が容易な「メインチェーン+平行チェーン」生態を構築しました。特許は、データ同期方法、多重サイン、プライバシー情報、データ照会、平行チェーン等の技術分野を巡って配置されています。

以下のグラフは、Top3企業の近3年のブロックチェーン特許権数量の対比図です。